海道龍一郎著「早雲立志伝」

北条早雲の出家前の名前を初めて知ったのは、たしか司馬遼太郎の「箱根の坂」だったと思うが伊勢新九郎で、馬の鞍造り人だったように覚えている。著者によれば伊勢新九郎の出自などは多くが謎に包まれていてはっきり分かっていないとのことだった。
海道龍一郎氏は、最近の伊勢新九郎研究の結果を踏まえて同時代の人たちとの関係を見据えながら、当時の駿河守護の今川家、関東管領の山之内上杉家、扇ガ谷上杉家、古河公方・堀越公方、そして大田道灌たちの中で、新九郎がどのように小田原城主になっていったのか、どうして出家をして北条早雲と名乗ったか、その背景をかなり詳細に描いている。
まるで