矢野隆 の とんちき は 《 江戸のトキワ荘 》なのか!

「蛇衆」や「凜と咲きて」「愚か者の城」「朝嵐」などの超人もの、戦国ものがおもしろかっただけに、今度はどんな趣向かと期待いっぱいでした。

物語は蔦屋重三郎の営む「耕書堂」が舞台の2年間の物語です。時代は寛政の改革で財産半分の没収という罰を受けた2年後(1793年)のことです。

29歳の幾五郎(後の十返舎一九)が耕書堂の前で行き倒れになるところから。店に出入する若かりし3人も。34歳の鉄蔵(後の葛飾北斎)、下駄屋の養子・瑣吉(さきち;後の滝沢馬琴)そして阿波侯お抱えの能役者・斎藤十郎兵衛(後の東洲斎写楽)いずれもまだ名を知られていません。山東京伝や喜多川