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よくあるご質問

あさのあつこ の 弥勒シリーズ10「花下に舞う」

10巻という区切りで、もしやと思いまずは巻末を確認しました。まだまだ続くようで安心しましたが、その巻末広告に「弥勒シリーズ累計77万部」とありました。
児童文学を手掛けていた作者が、藤沢周平に憧れ、山陰の温泉町で旦那さんの歯科医院の受付をしながら、初めて描いた時代小説がこのシリーズ初刊の「弥勒の月」でした。
壮絶な過去を持つ小間物商・遠野屋清之助と、その清之助に異常な興味を持つ怜悧、冷酷な同心・木暮信次郎を主人公とした異色の捕物帳です。
・遠野屋清之助と木暮信次郎の経歴は前作「鬼を待つ」のトピを参照ください。⇒ https://smcb.jp/communities/5635/topics/2284658

◆遠野屋清之助のモデル
山陰の嵯波藩から江戸に出た清之助は、おりんという娘から声をかけられます。それが弥勒寺門前の「弥勒寺橋」です。おりんは小間物屋・遠野屋の一人娘、清之助は武士を捨てて商人になることを決断します。
今回、乙川優三郎の「霧の橋」を再読して、もしかしたらこれがヒントになったのかもと思ってしまいました。「弥勒の月」の9年前に出された第7回時代小説大賞受賞作です。
・父の仇を10年かけて討ち国許に帰った与惣次は、兄の汚職で自分も藩から追放されてしまいます。江戸に出た与惣次を拾ってくれたのが紅屋の主で、年の離れた娘・おいとの婿となります。物語は与惣次が刀を捨てて本当の商人になろうとする姿を描いていました。ここで使われた橋は吾妻橋でした。

◆弥勒寺橋
作者が「弥勒寺橋」に行き着いたのではないかと思われるエッセイ集「うふふな日々」の一節を紹介してみましょう。
「きっかけは藤沢周平さんの作品に魅せられたことだった。書店で読んでみようかなと買ったのが、『橋ものがたり』だった。お江戸の世に生きる名も無い人々が、切見世の女郎が、その日暮らしの棒手振りが、酒浸りの職人が、身分制度にがんじがらめにされた武士が、教えてくれた。わたしは、お江戸の切絵図を買い、藤沢さんの本を片手にそこに出てくる地名を丹念に辿っていった。竪川、弥勒寺橋、大川の河岸、浅草、聖天町、両国橋・・・・、わたしもこんな風に、人の重みのある物語を書いてみたい。」

◆木暮信次郎の人格形成
今回、信次郎の母親・瑞穂のことが紹介されます。伊佐治親分が現場の舞扇から「亡くなられた母上の瑞穂さまは舞の名手だったそうでやすね」と語り、信次郎が命日に墓参に出かけたことが、口入屋夫婦の惨殺事件解決につながります。ただ、母親は信次郎が10歳の時に亡くなりますので、人格形成には影響していないのかもしれません。
2巻目「夜叉桜」では、信次郎が5つにもなっていない頃、地蜘蛛が餌を捕える姿を日がな一日飽きもせず眺めていると、病的に潔癖で癇の強かった母に「武士の子が蜘蛛などにうつつを抜かして何とする」と詰られた場面がありました。

コメント

ソババッケさん

2021年05月29日 20:50

mioさん、一足先に読んでおられるんですね。ソババッケは図書館の予約タイミングを逃し、やっと手にしたところです。信次郎について触れていない10歳~奉行所出仕までの期間に興味があります。

ソババッケさん

2021年05月29日 20:44

ケイさん、好き嫌いはあると思いますが、是非読んでみてください。

その昔、作者が藤沢周平の生誕地・鶴岡を訪れた時の しんちゃんSNさん に紹介していただいたトピが残っていました。⇒ https://smcb.jp/communities/5635/topics/744051

mioさん

2021年05月29日 20:20

大好きなシリーズの一つです。
あさのあつこさんは「バッテリー」で知りました。
時代物としては、「闇医者おゑん秘録帖」シリーズも好きです。
→新作は「婦人公論」連載中

ケイさん

2021年05月29日 19:50

あさのあつこ⁉︎あの「バッテリー」 の?って思いました〜時代小説も書いているとは知りませんでした。
10巻ですか〜シリーズものとしてもなかなかのものですね。
このところ〜ほとんど本を読まなくなったんですが〜おもしろそうです(^^)