これが17歳!! 高野知宙(ちひろ)の「ちとせ」

丹後の漁師の娘に生まれたちとせは、疱瘡を患ったことで視力を失いつつある14歳の娘です。やがてすべての光を失うであろう娘を案じた母親は、生きる術となる三味線を習わせようと京に連れてきました。京の町を歩くちとせの耳に聞こえてきた三味の音、この人に習いたいと飛び込んだ家には、料亭の仲居として通うお菊という女が・・・。
「柔らかな中に張りがあって、それでもどこか物寂しくて。聴いていると胸がきゅんとなって居ても立ってもいられなくなったんです。三味線で食べていくだけなんて嫌なんです。せっかくなら楽しく弾きたい。人にも楽しく聴いてほしい」・・・

時代は明治5年、天皇