女流新人、麻宮 好(あさみやこう)の「月のうらがわ」

またまた女流新人の登場です。といっても、1964年群馬県生まれの遅咲きの新人です。既に、昨年、「恩送り 泥濘の十手」を出しており、「第1回警察小説新人賞」というのを受賞しています。

「月のうらがわ」は深川伊勢崎町の裏店に住む13歳のお綾の成長譚です。大工の父・直次郎と7歳の弟・正太の3人家族で、母の絹は3年前に病で亡くなっています。

同じ長屋には、大工仲間の重造一家、重造は普請場で怪我をして家賃も払えません。正太と仲良しの娘・おはるもいるのですが。鏡職人の伊之助と女房のお杉は娘を迷子で亡くしています。差配の新兵衛宅には出戻りの孫・お美代が同居している