北方謙三の「破軍の星」と 北畠顕家という男

南北朝時代の小説を読むときに、いつも疑問に思っていたのは、この北畠顕家という貴族出の男です。北畠親房の息子ながら、数えわずか16才で陸奥守として下向し、わずか3年で陸奥に基盤を作り、5万の兵で京の足利軍10万を破り九州へ追った男。

どうやって陸奥の国をまとめたのか。600Kmの上洛路をわずか半月で走破(秀吉の中国大返しより遥かに早い強行軍)できた理由は何なのだろうか。津軽の地に戦国末期に北畠氏がなぜ豪族として存在する(岩井三四二の「津軽の髭殿」)のか。等々。

元弘3年(1333年)、北畠顕家(あきいえ)はわずか16歳で従三位陸奥守を拝命し、6歳の六の