横井洋『横井小楠』新潮新書

彼に関する時代は寡聞にして知らない。
坂本竜馬がこれ程持て囃されてある現代だからこそもっと知られても良いのではないかと思い、この本を取り上げてみました。
勝海舟は「おれは、今までに天下で恐ろしいものを二人見た。それは、横井小楠と西郷南洲とだ」「横井の思想を、西郷の手で行はれたら、もはやそれまでだと心配して居たに、果たして西郷は出て来たワイ」と語っているし、竜馬が作成した「船中八策」と「新政府綱領八策」は、小楠が幕府に提出した「国是七条」と福井藩に提出した「国是十二条」をそれぞれ下敷きにしたものなのである。
華々しい“革命家たち”の陰に隠れて目立たな