川の神祇。



 川沿いには桜並木が多い。川が氾濫して多くの死人が出たあとに、桜木を植えたとも。桜は死人への鎮魂であり、穢祓いでもあるという。伊邪那岐命が黄泉の穢を祓うため、禊(みそ)ぎをしたことに由来するという。

 大祓の祝詞(のりと)、中臣祓詞には「遺れる罪は不在と、祓ひ賜ひ、清め賜ふ事を、高山の末、低山の末より さくなだりに落ち激つ、速川の瀬に坐す 瀬織津比売といふ神、大海原に 持ち出でなむ。」とあり、佐久那太理(さくなだり)とは、岩を割き、滝のように流れ降る様(さま)、桜谷とも解されて、早瀬に在る瀬織津比売神(せおりつひめ)が罪穢れを海におし流すという役の