九州北部域の高木神祭祀。「鷹」の神祇



 九州北部域の神奈備ともされる霊峰、英彦山は古代より信仰された神体山。中世の神仏習合期には修験の霊場、彦山権現として栄え、三千八百ともいわれる坊跡などにその痕跡をみせる。今は英彦山神宮とされ、社伝では天照大神の御子、天忍穂耳尊を祀ることで日の御子の山、「日子山(ひこさん)」とされ、山頂に上宮、山域には末社群を散在させる。

 筑前から豊前域に展開する「英彦山神領四十八大行事社」と呼ばれる英彦山神宮の末社群(高木神社群)が、何故か高木神(高御産巣日神、高皇産霊尊)を祭神としている。そして、英彦山の山頂域が高木神祭祀の旧地とされ、山頂直下に高木神を祀る産