日向、児湯の大和。神武東征の実証


 神話において、日向に在った天照大御神の五世孫、神日本磐余彦命はこの国を治めるため、塩土老翁が語った東方に在る青山四方に周る美しき地を都とすべく、皇子たちと舟師(水軍)を帥(ひき)いて日向を発します。


 現在の史学では、神武東征説話は内容が神話的であるという理由で史実ではないとされます。また、弥生期の考古において、日向には青銅器は無く、大規模な遺跡も乏しいため、当時の日向に軍事力を伴う勢力は考えられないと神武東征説話を否定します。

 が、弥生後期の一ツ瀬川流域に大量の鉄製武器を集積した大規模な墓域がこつ然と現れます。1986年に発掘された日向、児