八方美人

忘れもしない小学6年のある日。
机の中に手紙が入っていた。
ラブレタ−なら良かったのだが、
それはある女の子からの、私を
非難するものだった.
今なら立派な「いじめ」。

  「 あなたは卑怯者。誰にも彼にも良い顔を
   している八方美人だ。」

いろいろ他にもかなりひどい事が書かれてあった。

驚いた事にそれを書いた少女は普段目立たない、
むしろおとなしい子だった。
名前もY・Iちゃん。その時の顔も覚えている。

私は大人びた女の子だった。
その時も妙に落ち着いていた。
たしかに、私にはそういう所があるな。
怒る所か、変に納得してしまったのである。