素浪人の『万葉集漫談』(143)…仏教文化の興隆がいよいよ本格化します。

(143) 天皇(スメロギ)の 御代栄えむと 東(アヅマ)なる
         陸奥(ミチノク)山に 黄金花咲く
       巻十八・4097 大伴家持
大意・ 天皇の御代が栄えるしるしと、東国、陸奥の山に、黄金の花が咲いたことです。

解説・「葦原の瑞穂の国を天下りし神の子として、代々お治めになる天皇が…」という荘重な長歌がこの歌の前にあって、「大伴一族の忠誠」を歌うのです。その中に
「海行者 美都久屍 山行者 草牟須屍 大皇乃 敝尒許曾死米 可敝里見波勢自」(万葉仮名で表記)。
(海行かば水漬く屍 山行かばくさ生す屍 大君の辺にこそ