レルヒ来日前後

日墺スキー100年始まりの一歩

 1910年11月30日夜、ロイド汽船フランツ・フェルジナンド号は九週間もの長い航海のすえ、ようやく横浜に入港した。
テオドール フォン レルヒ少佐が足を踏み入れた最初の一歩が、日本の玄関口横浜だった。

 陸軍省から1911年1月1日高田連隊への配属、5日着任の命令を受たレルヒ少佐は、東京滞在中帝国ホテルに宿泊し、日本語の勉強や、銀座、浅草等各所見学で、日本の文化を少しでも肌で学び取ろうと努力されていたようだ。

 1910年12月20日、その頃高田連隊に、杉村公使が赴任先のスイスから陸軍省に送ったいたスキー2台が届い