タジン鍋

肝臓癌で親父が死んで、50年になる。
あの時、中学校で叱られたことを今でも覚えている。
親父が亡くなったのは4月2日で、学校は進級を控えた春休みだった。
2年のときの担任は転校し、3年の担任はまだ決まっていないという、社会を知らない子供にとっては宙ぶらりんの状態だ。

3年の秋?家族調書なるものを書かされたが、その後、職員室に呼び出された。「親父の名前を書き忘れるとは何事だ。バカモン」「イエ、親父はいません」「何、なぜ亡くなった時学校に連絡をせん」「まだ、担任が決まっていなかったので、誰に言えばいいのか・・・?」

50回忌の引き出物を探していたら「タジ