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よくあるご質問

戦前の声なき叫びも聞こう!万葉歌と響き合う。…素浪人の『万葉集漫談(213話)

講談社刊の『昭和万葉集』を御存知でしょうか。『万葉集』と響き合う心の叫びが聞えます。幾つか紹介してみます。

?小冊子に憲兵の面輪(オモワ)光りたり何事にかあらむ夫(ツマ)は正しきを             「ポトナム」 森岡貞香

?将校らの死刑は終へしことをのみ伝へて時とところに触れず
                 「国民文学」 半田良平

?四百五十号私物とかかれ「許」の印あり妻が差し入れし古事記
 に萬葉集に            「波濤」   斎藤 瀏

?濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土か夜明けか知らぬ                      「漁歌」  斎藤 史 
?貧ゆゑの堕胎乞ふ人をさとしつつ産児制限の難きをおもひぬ
              医師  「ポトナム」 上村梧郎

?刑死と木札つけられしなきがらの解剖台にのせられてありぬ
              医師  「アララギ」 中内四郎                
短歌を詠む方なら先刻ご承知の歌集ですが、何れも日本が軍事国家へ傾斜して軍の思想統制が強化されてゆく過程が浮き彫りとなって見えます。
??は親娘の歌です。父は陸軍少将で、2・26事件に連座。??はいずれも医師の立場の割り切れぬ思いを歌います。私事ですが、?は義兄のまだ九大在学中の歌と思います。

個々にはこうしたどんな反戦の叫びも、時代が戦争に動き出すともう、国民の声は全く消え、どうにもならぬ現実でした。
しかし最近、中東の独裁国家が次々と国民のデモで倒されて行くのを見ますと、フランス革命時の国民のエネルギーなどと思いあわせて、時代は大きく変化をみせているのかも知れませんね。
今こそ、民主国家として国の尊厳が問われ始めている気もします。

さて、時代1300年を遡って戦争とはかけ離れた、素朴な万葉の東歌に戻りましょう。(笑)

(213)奥山の 真木の板戸を とどと押(シ)て
       わが開かむに 入りきて寝(ナ)さね
                巻14・3467  東歌
解説・ 奥山の真木で作った板戸を私がごとごとと押して開けますから、中に入って、一緒に寝て下さいネ。…という、これはまたもの分りの良い(?)女性の、男を誘う歌です。「とど」は建物のきしむ音です。 

(213’) 高麗錦 紐解き放(サ)けて 寝(ヌ)るが上に
        あどせろとかも あやに愛(カナ)しき
                 巻14・3465  東歌
解説・ 高麗錦(コマニシキ)の紐を解き放って共寝をしたのに、その上どうしろというのか。無性に君が可愛いくてたまらない。という男性の歌です。有り余る愛の切なさとでもいいますか…。

やはり、こうした平和な時代が続くといいですね。震災の後の苦境から一日も早く国全体が抜け出して、被災地の皆様ともどもに、平凡ではあるが、夫婦、家族が安穏な日々が送れる日の訪れます事を改めて祈りたいと思います!

カテゴリ:ニュース・その他

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