戦前の声なき叫びも聞こう!万葉歌と響き合う。…素浪人の『万葉集漫談(213話)

講談社刊の『昭和万葉集』を御存知でしょうか。『万葉集』と響き合う心の叫びが聞えます。幾つか紹介してみます。

?小冊子に憲兵の面輪(オモワ)光りたり何事にかあらむ夫(ツマ)は正しきを             「ポトナム」 森岡貞香

?将校らの死刑は終へしことをのみ伝へて時とところに触れず
                 「国民文学」 半田良平

?四百五十号私物とかかれ「許」の印あり妻が差し入れし古事記
 に萬葉集に            「波濤」   斎藤 瀏

?濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土か夜明けか知らぬ