講談社刊の『昭和万葉集』を御存知でしょうか。『万葉集』と響き合う心の叫びが聞えます。幾つか紹介してみます。
?小冊子に憲兵の面輪(オモワ)光りたり何事にかあらむ夫(ツマ)は正しきを 「ポトナム」 森岡貞香
?将校らの死刑は終へしことをのみ伝へて時とところに触れず
「国民文学」 半田良平
?四百五十号私物とかかれ「許」の印あり妻が差し入れし古事記
に萬葉集に 「波濤」 斎藤 瀏
?濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土か夜明けか知らぬ