昭和の夏の風物詩

遠い遠い昭和の夏。

昭和30年代。
私は小学生低学年。
小さい妹、弟はいつも側にいた。

突然の雷。
母は蚊帳を吊ってくれた。
3人で蚊帳の中。
妹と弟は私にしがみついている。
不思議な世界。
怖いのにちょっとウキウキしている。
今でいう「異空間」。
バケツをひっくり返したような雨が通り過ぎた。

又、夏の日差しが戻ってくる。
蚊帳からそっと出てみる。
そこには父と母の笑顔。

そして、冷たいスイカと冷麦。
それがご馳走であった。

家族5人で賑やかな食卓。
笑い声が絶えなかった。

あれから50年以上が過ぎた。

今でも雷が来るとあの日が甦る。