迷子のように

あなたの好きだった夏の夕暮れ
汗をゆっくり乾かすように
緑色の風が吹き抜ける

陽に焼けたあなたの笑顔
まぶた閉じたら浮かんで来るの

泣いて笑ってあなたと生きた
あの夏はもう還らない


人波の中
足並みを揃えて歩いているはずなのに
迷子のように不安な心で
迷路の中を歩いている私

ねぇ、何処にいるの?
あの日繋いだ手が離れていく




あなたの言葉を今も信じてる
私にとってはかけがいのない
あなたがくれた最後の約束

照れくさそうに差し出す手を
私はいつも待っていた

泣いて笑ってあなたを愛した
あの夏が今年もくるけど


人波がいつか
途切れ