昭和のこと-7(昭和5年)

♪月はおぼろに 東山  かすむ夜毎の かがり火に〜          
         (祇園小唄)

【世 相】      

>紙芝居・登場<
前年の秋頃からのひどい不況に追い討ちをかける如く、米価など農作物価格が暴落し、農村危機が深刻化する。市中には失業者が溢れたのである。

何時の時代でも、〜窮すれば何とやら〜で、彼らは子供相手の「飴売り行商」なる新手の商売を編み出している。飴を買ってくれた子供達におまけとして紙人形の芝居をみせるというものである。ところがである。この紙人形芝居に客を取られるとして、東京・浅草の駄菓子屋連が結束して警察にその取締