春の使者

やっときてくれた雨。
雪交じりの雨。
みぞれと呼ぶにも弱弱しいくらいの
みぞれが降る。

雨待ちの農家の人の気持ちがよく分かる。
自分の畑のキャベツが大きくならず、小さいままで固くなっていたから。

今日降ったから、明日からすぐ野菜が出回ることもないけれど、とにもかくにも貴重なおしめり。

季節が動きはじめたのだ。

35日間も雨無しでカラカラ天気。
ずっと冬の頂上まっしぐらの天気だった。
幾つかある冬の頂上を迎えたのだから、後は下ることもある。
この雨雪がその証拠だ。

このおしめりで地中のもろもろが喉を潤し、目覚めの準備を始めるのだろう。

木々の根