古代ローマ人の24時間

アルベルト・アンジェラの「古代ローマ人の24時間−よみがえる帝都ローマの民衆生活−」を読了した。著者は、フランス生まれのイタリア人で、多数の発掘調査を手がけた後、現在はイタリア国営放送で科学番組の制作、キャスターを務める他、科学ライターとしても活躍している。本書は、古代ローマ人の生活の様子を、トラヤヌス帝治下紀元115年の、とあるローマ人の1日の生活を通して再現する、架空のルポルタージュである。
 トラヤヌス帝の時代は、スコットランドからイランまで、サハラ砂漠から北海までと、古代ローマ帝国の版図が最大となった時代であり、領土内の最長距離は、地球の円周の1