戦国時代の兵農分離

西股総生の「戦国の軍隊−現代軍事学から見た戦国大名の軍勢−」を読了した。著者はフリー・ライターで、中世の城郭、城館に関する在野の研究者でもある。本書は、戦国大名の「軍隊」の構成について、最新の史料を用い、「軍事」の視線から再検討したものである。
 第1章 戦いの現場から-天正十八年の山中城攻防戦:戦国時代末期の城攻めの一例として、小田原の役の前哨戦である豊臣秀吉軍による山中城攻防戦を、中村一氏家中の渡辺勘兵衛の戦い振りを再現し、当時の武士のスタンドプレーと火力(鉄砲)の組織的運用について言及している。
 第2章 中世の軍隊-封建制的軍事力編成の原理:戦国