漢字昔ばなし『念』の巻?

「永くお世話になってしまったが、
わしは明朝、加賀の国へ向けて旅立つので、
皆さんからいただいた米と銀を受け取って欲しい」
と言うのです。

袖も亜衣も、
「そんなにたくさん、いただくわけにはいかない」
と断ったのですが、
老人が熱心に言ってくれるので、
お米と銀を半分だけいただくことにしました。

あくる日、老人は母犬と子犬一頭を連れて旅立って行きました。


最後の一頭は、≪念≫という名前をつけ、
「亜衣へのお礼」と言って残して行ったのです。

亜衣はうれしくてうれしくて、
それからというもの、寝る時も、食べる時も、
いつも念といっしょに暮らしました