東京オリンピックのマラソン

1964年10月21日は秋晴れの良い天気だった。
私は朝から迷っていた、東京でオリンピックが行われているのに何も見ていない、今日のマラソンを見学しなければチャンスはもうない。20歳で成人ならば自分で判断しなければ、意を決して甲州街道の明大前付近に12時ころには着く(1)。横断歩道橋からよく見える場所を確保して、先頭集団の到着を待った。やがて、17番をつけたアベベが何人かと通り過ぎて行った、アベベが裸足でなくシューズを履いていたこと、日本の三選手(寺沢・君原・円谷)も遅れていなかったことで何か期待が持てた。
  色々な国からの参加選手達が次々と通過していく