夢物語朝鮮王朝の滅亡

金重明の「物語 朝鮮王朝の滅亡」を読了した。著者は在日韓国人の作家、翻訳家で、韓国関係の書籍の翻訳を多く行っているとのことである。本書は、李氏朝鮮後期の英祖・正祖の時代から日韓併合による大韓帝国の滅亡までの歴史を、物語風に描いたものである。
 最初にお断りするが、私は本書の内容を必ずしも全面的に肯定するものではない。著者は前書きで、自分は「愛国心」を持っておらず、本書は愛国心やナショナリズムという偏見なしに書かれたものであると述べているが、掲載すべき歴史的事実の選択等に多少のバイアスが加わっている様に感じる。文学者の書く歴史なので仕方がないのかもしれない