黒田勝弘の「隣国への足跡」を読了した。著者は産経新聞ソウル駐在特別記者兼論説委員である。著者は京都大学卒業後、共同通信社に入社し、1980年から1984年まで同社のソウル支局長を務めている。その後、1988年にソウル駐在を条件に産経新聞に移籍し、2011年10月までソウル支局長を務め、その後ソウル駐在のまま特別記者兼論説委員となって現在に至っている。本書はソウル駐在35年に及ぶ著者の取材経験に…
金重明の「物語 朝鮮王朝の滅亡」を読了した。著者は在日韓国人の作家、翻訳家で、韓国関係の書籍の翻訳を多く行っているとのことである。本書は、李氏朝鮮後期の英祖・正祖の時代から日韓併合による大韓帝国の滅亡までの歴史を、物語風に描いたものである。 最初にお断りするが、私は本書の内容を必ずしも全面的に肯定するものではない。著者は前書きで、自分は「愛国心」を持っておらず、本書は愛国心やナショナリズムとい…