「私と8月15日」(3)

さて、主人からは何の連絡もなく私はもしかしたら日本へ帰ったのでは、と思って居りましたら突然撫順から電話があり、「ハルピンに向かっているが家族は無事か」と案じてきました。
その後も奉天(現在の瀋陽)新京(長春)香房からその都度電話で連絡がありました。
話の様子では昼間はあぶないので、知り合いの川島さんのお宅にお世話に成ったり、時には高粱畠に隠れたり、命がけの行動がつづいたようです。

ハルピンに近づいた時、電気区へ電話をかけて知り合いの満人に迎えをたのみ来てもらった。
彼は主人に黙って歩くように言い、おかげで無事にハルピン駅電気区へもどる事ができました。9