お下がり

日曜日はお店がお休みなので、二人は『市川猿之助さん』の歌舞伎に出かけるという。

二人は、共通の趣味がいくつも有るが、中でも美術館と歌舞伎鑑賞は特に好きなようだ。

『お母様に頂いた赤い友禅の着物と、ブルーの塩瀬の帯」大丈夫ですか?』と電話が来た。

「本来染には織、織には染」を合わすものだけれど、あの塩瀬の帯は手描きで金駒取りの刺繍がしてあるから、格が上がるし、いけると思うわよ」と返した。

彼女は生まれてから22歳、社会人に成るまで京都育ち。生粋の京女。

私には娘は居ないので、派手になった着物はドンドン彼女にあげている。

此の友禅は想い出深い。