出張

総領の甚六が「車出せる?」と言って来た。
朝9時前。
見たら大きなスーツケースとPCバッグを持っている。
『出張なの?』「うん」

総領の甚六は何時もこんな調子です。
『何時に乗るの?』「9時20分」

私は未だ歯も磨いていなかった。
連れ合いを呼ぶが返事がない。

仕方なくサングラスを掛け、ガムをかみながら口紅だけつけて駅まで送った。

総領の甚六の嫁はお里帰り中。
何と言ったら良いのか「子供が風邪を引いたから」
と言って、お里帰りかれこれ1ケ月になります。

その前は、両親がイタリアへ旅行に行きましたのでと言ってやはり一ヶ月以上お里帰りをしていた。