あのリーマンを生き抜いた逆指値【その一】

筆者がFXを始めたのは2008年の夏の終わりあたり、時あたかもサブプライムローン問題が論じ始められてはいたが、数週間後にはかの名門リーマンブラザーズが破たんするとは、露思いも及ばなかった。

FX業者に口座を開いたものの、具体的な戦略などは持ち合わせもなく、1時間に20回近くトレードを繰り返すスキャルピング(当時はこの呼称も知らなかった)を繰り返していた。現役時代には財務部門で輸出入取引ため、銀行と為替の売り買いはしていたが、それはあくまで輸出入貿易のための実需為替の決済にすぎなかった。一方、取引先である為替銀行では、為替を思惑で売買するディーラーが華々