今頃の時期に河原の草地や畑地に行けば、
その上空に天高く舞うヒバリの声を
聞くことができます。
しかし、いくら空を探しても、
声はすれども姿は見えずです。
万葉集では、三首で春の雲雀(ひばり)について
詠っています。
春というと、
今なら明るく楽しいというイメージがありますが、
万葉集の頃は
春のヒバリに物悲しさを感じていたようです。
うらうらに 照れる春日はるひに ひばり上がり
心悲こころがなしも ひとりし思へば
(大伴家持 万葉集 巻十九 四二九二)
ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば
都も見えず 霞かすみたなびく
(大伴家持