旅に出たくなる本「一号線を北上せよ」沢木耕太郎

読書の最大の楽しみは日常にはない未知の世界知らない世界を本を通して体験できるところである。しかしノンフィクションでも小説でも、自分がよく知っている街かどや知っているお店が出てきたり、自分が体験したような状況が出てくると妙にうれしい。私にとってこの「一号線を北上せよ」はそんな本だった。

20代の時のインドからロンドンまで2万キロの青春バス旅行の記録「深夜特急」シリーズがバックパッカーのバイブルになった沢木耕太郎が 50代になってヴェトナムの国道1号線をホーチミンからハノイまでバスを乗り継ぎ1800キロを北上する。決まっているのはバスで行くことだけ。行き当