三年  その5(完結)

マスターはゆっくりとビールを一口飲むと続けた。

「薄々は感じていたんだけどね。
 真ちゃんが来ないと妙にそわそわしてたし
 真ちゃんが帰った後は何だか寂しそうだったんだよね。
 今にして思えば、そうだったのかな? なんて思うんだけどね。
 でも、その時はそれが本当に真ちゃんなのか誰だったのか
 今ひとつ確信の持てないところもあってさ。
 あの子、普段は明るくてテンションも高めなんだけど
 時々ね、何か沈んでいるというか、疲れているというか。
 そんな時もあったものだからさ。
 それに、お互いに大人だし、縁があれば結ばれるものだって思ってたんだ。
 もっ