マタイ受難曲から

バッハのマタイ受難曲は、大曲ではあるけれど、
マタイ福音書に沿って、イエスが受難するまでの
ストーリを聖句や賛美歌、自由詩などで構成する。

自分が日々繰り返し聴くのは、たった一曲なので、
バッハに対して失礼かもしれないなと思う。
しかしその理由もそれなりにある。

それは「ペテロの否認」のあとに歌われる第39番の
アルトのアリア。バイオリン曲として独立して演奏される
こともある切ない旋律である。

ある人はマタイ受難曲の中の最高峰、いやアリアの中の
頂点に位置するとまで言う。自分もほぼ賛同したい気分。
大げさに言えば、人類史上最大の嘆きと後悔の歌と