また季節とは関係なさそうな短歌ですが。
「時のあちこち」
らふばいに引き止められて知己なれば不遇を託つこの羊年 ==春ごとに出会う駅近の蝋梅の花
百近き母の記憶の虚ろにて父と兄との行方聞きたがる
「お先にと逝ってしまった」をのこ達母に語りて声の震ひぬ
頼りにし人ら逝きたり逼迫の「どうしたらいい」問ひはさまよふ
あさゆふの竹林浄土よざくらの散る音もする吹田なりにし ==関西の都市
平成の四半世紀を蝉時雨ふるこの町に泣くこと多かり
鍋つかみを手作りするも弾みたる若き心の我のありたり
小さき花愛でて飽かずに母と娘のそぞろ歩きの語り飽