「桜桃」

サクランボの季節になった。スーパーで佐藤錦が
安かったので自分で買ってみた。
毎年、友人からのおすそ分けがあり楽しみに待っていたが
今年は事情があって、もう届かない。
一年に一度は食べてみたい。

文学部の学生だった頃、太宰治に夢中になっていた。彼の作品のなかで好きな言葉はいまだに憶えている。

「桜桃」の作中、主人公は作家さんで本音が読める……
この作家さんは貧乏作家で小さい子供が3人いる。ささいなことで奥さんと喧嘩になり、一人、飲み屋にきている。
そこで、サクランボがお皿にのってでてくる。家庭的には酷い夫であり、そして父親だけれども、子供がどんなにか