イギリスの紳士と執事 「日の名残り」カズオ・イシグロ 読書感想

 ダーリントン卿の屋敷で女中頭をしていたミス・ケントンが、結婚を機に仕事を辞め、イギリス西部のコーンウォール半島ダヴェンポート辺りに住むようになった。時折便りがあり、それから推察すると、幸せそうな生活を送っているようでも無いと考えた執事のスティーブンスは、あるいは、再び屋敷に戻り仕事をしてくれるならば有難いと考え、その打診を兼ねて、ダヴェンポートを目指す旅に出た。現在の館の主、ファラディは、アメリカ人で、十数日アメリカへ戻るので、その間、所有しているフォードを利用し、旅に出てはどうか、ガソリン代も出すと言ってくれた。それで、執事スティーブンスは、イギリス