連載:運慶から②

「銀髪」

私は未だに髪の毛を元に戻そうと伸ばしていたが、ここにきて痩せてしまい、目は落ち窪み、髪は頬骨の脇で外側にはねてしまうようになった。それに分け目の白髪が目立つ。

美容院に行った。いつもいる男性はおらず、私よりはおそらく高齢だと思う初めて見る女性と、いつもの女性がいた。私はどちらの美容師になるか、順番が気になった。

高齢の女性の客が先に終わった。仕方ない。彼女の椅子に座った。カットと白髪染めをお願いしたが、私は今後頭部に痒いところがあると告げると「じゃあ、染められませんね」とケンモホロロに言う。お願いする隙もない。

「以前の長さまで伸ばそうと思ってたん