上海に旅して路上に霰降る

 ふるさとは緋蕪漬けて霰どき  蒼石

 ほしいまゝにプラツトフオームの霰哉  尾崎紅葉

 まぎれなく貧し鼻うつ夕霰  小林康治 玄霜

 みづうみを打つて過ぎゆく霰かな  草間時彦 櫻山

 ものありぬ霰が降れば音たてる  加倉井秋を 午後の窓

 ものもへば霰にまぶた打たれけり  川口重美

 やう~に舟岸につく霰哉  寺田寅彦

 ゆく雲や霰ふりやむ寺林  飯田蛇笏 霊芝

 ゆづり葉の見事にたれて霰かな  原石鼎

 ゆり合す蓑のひまうつ霰かな  弄我

 よろこびて地に一刷けの初霰  斎藤俊子

 上海に旅して路上に霰降る  アロマ

 霰降