草原にアオサギ微動だにせず

    「アロマ」の句


 炎天下汗乾き切って心地良し

 牡蠣フライ押して平たく檸檬添え

 秋刀魚焼くシーズンに一度去年の秋

 草原にアオサギ微動だにせず

 マニキュアとリップの色合い揃え冬

 アーケードの街華やぎの聖夜なり

 ラーメンの美味しいデパ地下の店

 舗道に我が腕取り歩く君

 待ち合わせ君のシャツは波模様

 花冷えに車を降りて写真撮る

 満開の桜枝垂れて衣の袖

 プラタナス炎暑の雨にぬれ濡ち


    「加藤楸邨」の句


 つぶやきかあらずしたたる雪解水

 斑鳩の塔見ゆる田に藺は伸びぬ

 峡の温泉はひそやかなれど