連載:生命の詩(いのちのうた)

公園の銀杏の散る葉を見て

   樹々
初冬の公園は 淋しい
落ち葉舞う公園は 淋しい
日の差さぬ公園は 淋しい

けれど
ほんとうは
「人間って淋しい人ばっかり」
公園の樹々たちは
きっと思っていることでしょう

私たちを見ながら


    落ち葉
 木々はいま ひっきりなしに
 葉を散らしている

 私たちも あのように
 はらい落とすことができたら▪▪▪▪
 かなしい思い出や
 ときに 胸をさす悔いを

 ふき寄せられた落ち葉の上では
 子どもたちが明るく笑い
 そこだけは
 風も 落ち葉も
 陽気にさわいでいる
           「月曜日の詩集」 高田敏子