連載:古代史

災難に苦しめられた聖武天皇

聖武天皇は、724年(神亀元)に第45代天皇として即位しました。朝廷では、長屋王がその権力を強めていたのです。

 しかし、亡き藤原不比等の息子たち4兄弟に謀反の疑いをかけられ、長屋王は自殺に追い込まれました。

 ところが、大陸から伝わってきた天然痘の大流行により、4兄弟全員が亡くなります。人々は長屋王の祟りと噂しました。

 734年(天平6)には、近畿地方で大地震が起きます。即位した翌年にも、平城京が地震に見舞われております。

 在位中に、これほど災難に見舞われた天皇は他に類を見ません。為政者の徳が足りないのではないかと、聖武帝は嘆いたと伝わりま