ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただ有明の 月ぞ残れる
ほととぎすが一声鳴いてゆく 声のした空を見上げれば
ほととぎすの姿はみえず 夢かうつつのようにはかない 有明の月一輪
■■藤原実定■■
藤原実定(さねさだ)は百人一首としては後徳大寺左大臣とされている
お祖父さんの実能(さねよし)が徳大寺左大臣となっているので
区別するために後をつけた
選者の藤原定家のいとこにあたる
実定が生き抜いた時代は、激動の時代
二十歳のころ、保元、平治の乱があった
やがて平家一門が隆盛を極める
公家全体としては不遇の時代となる
平家と結んで栄華に乗っかる貴族
連載:百人一首2