連載:江戸の残映

地球は丸いと知っていた信長、だが林羅山は

宣教師レイス・フロイスは、織田信長に「地球は丸い」説明すると、「理解できる」と信長は答えました。

 地球は太陽系の惑星で、そのための日の出・日没に納得し、引力についても信長は理解を示したといいます。

 ところが、信長が本能寺で横死した翌年に生れた林羅山は、徳川幕府初期の幕府儒官ですが、理解できなかったのです。

 徳川家康は、朱子学を官学とする基礎を作りました。朱子学は儒学の一体系で、武士の礼節すべて朱子学に統一しました。

 ところが林羅山は、地球が丸いとは信じられず、天動説に固執したのです。

「天があって地がある。われらの世界は静止し、日月星は