【俳句ノート まとめ 】あけび庵

ロープウェイ坂の町並み秋けむる
道端に生きて他愛の狐火や
立冬の寝不足に泣くもらい猫
冬ざれて石に雨垂れ雨つぶて
刃に遊びセロリ背筋の香りたつ
雨後しずく秋洗われて山野草
吹き分けて木蝋のれん冬内子
七島の種風に飛び伊豆の秋
波打ちの際や草有る伊豆の冬
月はんぶん石蕗の花に置いて行く
颶風うけ石蕗の花ゆれ惑い  (ぐふう)
浮雲に石蕗の花みる空や
絵手紙に石蕗の花いろ乗せて
石蕗の花くも掃き散らし日はふらず
舞殿の雅楽古式や秋八坂
水舟の軒を安堵に石蕗の花
赤い実や給餌台の雪被り
紅葉に舞て天女の仙娥滝   (せんがたき)
ビル明かり秋点々と遥かなり