公孫樹散り敷く裏庭青泥む

    「アロマ」の句


 秋の午後紫苑靡いて夕茜

 仲秋にピアノの音色密やかに

 明月に連れ立ち歩く橋の上

 吉野山西行庵まで秋日和

 拝殿まで上る神社の石段を

 朱塗りの拝殿前に本殿は
        千鳥破風あり檜皮葺流造り

 騎馬像桜紅葉の境内に

 秋空に一の鳥居が白く冴え

 銀色の薄風に揺れ靡く

 裏庭に光燦々秋の午後

 公孫樹散り敷く裏庭青泥む


   「松本たかし」の句


 歩みつつ月鉄塔の右手にあり

 竹垣の低きがうれし菊いろいろ

 残菊の庭の日向の茶の間まで

 温泉煙の朝の白さよ秋燕

 霧の道現れ来るを