「紫 苑」の日記一覧

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午後の日に紫苑揺らいで仄優し

    「アロマ」の句  秋の旅山小屋風のホテルかな  玻璃越しに紅葉麗し部屋にいて  やや黄ばむ公孫樹の下にくつろいで  三段峡山菜蕎麦の昼餉かな  三段峡朱塗りの橋を渡りけり  秋の夜半切子のグラスにワイン注ぐ  赤まんま可愛く道辺に彩なして  午後の日に紫苑揺らいで仄優し  秋の街母と二人で抹茶買う  蛍焼の碗と湯呑を…

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潮路来て浜の夕暮れ深紅なり

 春暁の風花舞へる汐路かな  草間時彦  新茶汲む朝の潮路の歴々と  中拓夫  雛流す潮路の果は知らねども  鈴木真砂女  飛魚や潮路まぎれず船に沿ひ  稲畑汀子  南蛮船渡来の潮路鳥帰る  下村ひろし 西陲集  晩夏かな汐路に入りしロシア船  市村哲也  潮路来て浜の夕暮れ深紅なり  アロマ  黒潮の潮路さだかに時雨ふる  松本たかし  雲仙は初夏の潮路に峙(そばだ)てり …

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春風にふわり数片花吹雪 

  お昼はチャーハン 蟹蒲に冷凍葱、卵   美味しく仕上がる  郭公や何処までゆかば人に逢はむ  白田亜浪  割烹着絶えず何処か落葉降る  猪俣千代子 堆 朱  蒲公英が何処にも咲いて皇居内  三谷貞雄  何処へ行かう落花名残の風あをみ  林翔 和紙  漕ぎゆけど蓮の水路の何処までも  安田北湖  盆地の蒼い山並み何処までも  アロマ  餅搗の何処より早く幼稚園  仲佐方二…

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首都高走る休日のドライブ

 レモン厚切り春の休日優雅にす  鈴木真砂女 夕螢  卯月休日香典返しとどきけり  鈴木真砂女  運転手の休日瓦ずりさがる  橋閒石  煙突の休日ならむ稲の花  森賀 まり  燕来る休日ジャムを煮てすごし  鈴木真砂女 夕螢  黄金の休日読後朝顔蒔く  山口青邨  賀状書き休日の陽を使い果す  山本京子  寒ン休日愚庵も植ゑし椿植う  右城暮石 句集外 昭和十六年  看護婦の休…

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琵琶の音に深まる秋をゆくりなく

    「アロマ」の句、歌  秋の夜に飴色の月見て伏せる金木犀に似た色したり  カナダの秋は沿道に白樺の黄葉打ち震えタペストリーに  葡萄狩り黒ずむ巨峰甘き味食べ放題の棚に摘みつつ  午後長けて仄かな風に紫苑立つ  薄生け空に満月吾子三歳   琵琶の音に深まる秋をゆくりなく  秋の旅山は紅葉に染められて  鳴子揺れ田圃の秋は黄金めく  秋の旅えびの高原薄の穂  家の前霧に覆…

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新涼の朝風吹いて花香る

 御用聞きまづ酒屋来て秋涼し  鈴木真砂女 夕螢   懐に来る新涼の風少し  安原葉  折返すより新涼の馬車となる  稲畑汀子  反橋を行き新涼の風の上  山田弘子  千の手に新涼到る観世音  佐土井智津子   卵二つ供えし漁の神新涼  長谷川かな女 花 季  大富士のはるか下雲涼新た  飯田蛇笏 雪峡  嶺近く新涼の身をひるがへす  宋淵  勝手口外は新涼の風吹いて  アロマ …

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明るい林の中で

 黄葉の林の中で  秋の冷気に  たっぷりと浸っていよう  頭上は木の葉越しに  澄み切った空が  見え隠れする  林の中はクリスタル質の  黄金の光に満ち溢れ  木の葉を透かした  日光が微妙なトーンで  地上にたゆたっている  夢見るような空間    紫苑が風に揺れ  遠く家の柿の実が紅い  林の外れから  劈くような鳥の声  草の斜面に寝転んで  流れる雲を見ていると  幼い日 ラ…

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公孫樹散り敷く裏庭青泥む

    「アロマ」の句  秋の午後紫苑靡いて夕茜  仲秋にピアノの音色密やかに  明月に連れ立ち歩く橋の上  吉野山西行庵まで秋日和  拝殿まで上る神社の石段を  朱塗りの拝殿前に本殿は         千鳥破風あり檜皮葺流造り  騎馬像桜紅葉の境内に  秋空に一の鳥居が白く冴え  銀色の薄風に揺れ靡く  裏庭に光燦々秋の午後  公孫樹散り敷く裏庭青泥む    「松本…