明暦3年の大火を「振袖火事」と呼びました。映画やドラマになっているので、ご存知の方が多いでしょう。
浅草の大増屋十右衛門という商人の娘で、16歳のおきくが、上野の花見に紫縮緬の振袖を着て出かけました。
そのとき、道で出会った若衆に一目ぼれし、それがもとで病死しました。昔にいわれた恋患いです。
当時は若い娘が死ぬと振袖を寺へ納める習慣でした。十右衛門の娘の紫縮緬も、本郷丸山の本妙寺に納められました。
これが古着屋に出て別の16歳の娘が買って病死。その後また別な16歳の娘が買って紫縮緬の振袖を着たところ、これも死去したのです。
3人とも菩