奈保山御陵というバス停の傍に、「元正天皇陵」が鎮座します。
第四十五代の天皇で、天武天皇の皇太子・草壁皇子の長女に生れました。
名は「氷高」、日本の女帝としては五人目で、結婚経験はなく、独身で即位した初めての天皇になります。
3歳下の同母弟瑠皇子は後に文武天皇となりますが、早世したために、氷高皇女が元正天皇として中継ぎで即位したのです。
『続日本紀』には、
「天の縦せん寛仁、沈静婉レンにして華夏載せ佇り」
とあります。つまり、慈悲深く落ち着いた人柄であり、あでやかで美しい、ということです。
奈保山御陵の元正天皇陵前で祈ると、地下に