ベランダに目をやると、桜草が薔薇の根元に咲いています。女房の友人がもってきた桜草の鉢植え。
花期が終ったのでむしり取り、あとに薔薇を植えたのですが、種がこぼれていると見え、毎春に顔を出すのです。
葡萄酒の色にさきけり桜草
は永井荷風の発句ですが、まさにぶどう酒の色なのです。
「花のいのちは短くて」は、古来から咲く花への賛辞です。ベランダの桜草を見てこのフレーズに抵抗を感じました。
近年、人間の寿命は続伸しております。先日もバスを待つ間に話しかけてきた老女。
「亭主は80歳で私は5つ下」といいますが、帽子に隠れた顔を見て瞠目しまし