八幡宮馬場の辺りも花の雲

 ランチタイム葉柳の道川に抜け  岡本眸

 わか柳ひとすぢのりて藁廂  阿波野青畝

 わづらはしからず柳の傘に触れ  鷹羽狩行

 稲妻の燃ゆれば柳一樹あり 山口青邨

 雨の糸よりも柳の糸繊し  後藤比奈夫

 愛情は秘むべし柳の裏葉銀  香西照雄

 六月の柳戦いで日曜日  アロマ

 畦螢遊行柳に突当り  石田勝彦 雙杵

 結び目をはんなり結び柳かな  鷹羽狩行

 午後よりの風の柳となりにけり  鈴木真砂女

 手花火のしだれ柳となりて消ぬ  三橋鷹女

 初茶の湯結び柳の真ん円く  山口誓子

 宿は柳の、塔は五重の暮れてゆく空  荻原井